ワンルームマンション投資の失敗談│原因・対策を把握し失敗を回避するには?

近年国内外の情勢がかなり不安定になっていることから、今後のために株や不動産への投資を始める方が増えています。

なかでもワンルームマンション投資は、自己資金が少なくても始めやすいなどの理由から投資初心者の人にも人気です。

ただ、人気が高まるにつれてワンルームマンション投資での失敗談も多く聞くようになりました。失敗を防ぐためにはどのような方策を立て、何に注意すべきなのでしょうか。

今回の記事では、ワンルームマンション投資での失敗談をご紹介するとともに、失敗してしまう原因から対策法まで網羅的に解説していきます。

ワンルームマンション投資の失敗談とは?

ワンルームマンション投資で失敗するケースの特徴としては、見通しが甘いこと、という共通項があります。

綿密な予算計画や十分な空室対策を立てておくことや、投資に対して受け身にならず進んで情報を学んでいく姿勢が重要と言えます。

ではさっそく、具体的な失敗例を3例ご紹介します。

失敗例1. 設備老朽化により出費がかさんでしまった

40代男性の事例を紹介します。

できるだけ安く投資を始めたいと思っていたAさんは、価格に惹かれて中古ワンルームマンションの一室を購入しました。

物件購入費はかなり安く済んだものの、実際入居した方からの設備トラブルの報告が絶えません。結果的に多額の修繕費がかかってしまい、収支が大きくマイナスに傾いてしまっています。

前提として、中古マンションを購入した場合に修繕費がかかることは避けられません。安さ重視で選んだ物件の老朽化が予想以上に進んでおり、結果的に出費が多くなってしまうケースが多く見受けられます。

物件購入費を抑えるためにも中古物件の購入はおすすめですが、設備老朽化を考慮に入れずに収支計画を立てると突然のトラブルに対応しきれないこともあるでしょう。修繕費の額やタイミングによっては、自分の財布からお金を出して補填しなければならないケースも出てきます。

特に1990年〜2000年代に流行った海外製の備え付けのドラム式洗濯機は、一度故障すると50万円ほどの交換費用が発生します。

また、1980年代の物件に多く見られる配管がコンクリートの中に埋め込まれているタイプは、配管が老朽化で錆びて脆くなると壁ごと修繕が必要になります。費用は数百万円もすることもあります。

失敗例2. 空室保証を過信してしまった

空室保証に満足し、疎かにした結果、予想よりも収入が得られずに失敗に終わるケースも多く見られます。続いては、30代のKさんの事例をご紹介します。

Kさんは仲介業者を利用してワンルームマンション投資を検討する中で空室保証の存在を知りました。制度に頼って提案された物件を吟味せずに購入した結果、空室が続き、空室保証の保証額を下げられてしまいました

Kさんのように、空室保証を過信してしまい、不動産投資に失敗する方も散見されます。サブリースと呼ばれる空室保証はオーナーにとって大変ありがたいシステムではありますが、これを過信してはいけません。契約更新のタイミングで業者からKさんの様に一方的に保証額を引き下げられる可能性もありますし、解約される可能性もあります。35年サブリース契約を謳う不動産業者もいますが、そのサブリース会社が35年間倒産しない保証はどこにもありません。

他にもサブリース契約を用いた悪質な販売手法もあります。サブリースだから安心、ではなく、サブリースがなくても十分に入居者がつく物件を購入しましょう。

基本的に更新は2年毎となります。35年間サブリースをするといっても契約書上は2年毎に見直しタイミングを設けています。管理会社によっては実際には空室ではなくとも自身の保身のために家賃を下げていくことも考えられます。

サブリースの場合は実際に住んでいる入居者がいくらの家賃を払っているのかが見えないことが多いのです。とすると、実際に管理会社のオーナーに対する提案が正しいのかどうかがわからないのです。信用できる管理会社でないと痛い目に遭うことがあります。

空室があまりにも多すぎたら契約更新タイミングでサブリースの解約。

常に満室だとしても管理会社が利益追求をするとサブリース家賃を下げる。

こんなことが日常茶飯事です。

失敗例3. 計画的な返済が見込めないほどのローンを組んでしまった

3例目として、40代男性Sさんの失敗談をご紹介します。

Sさんは不動産投資を始めるにあたり、ローンに通りやすい属性を持つがゆえに計画的な返済が見込めないほどのローンを組んでしまいました。毎月の支払が多くなってしまい、返済に困る状況となっています。

ワンルームマンション投資では、審査の対象が物件自体の評価額や収益性に基づいているケースが多くあり、これが「ワンルームマンション投資は始めやすい」と言われる所以でもあります。

本人の属性が良いばかりにある程度割高な物件でもローンが通ってしまい、相場よりも高値の物件を購入できてしまうリスクがあります。また、そういった物件を複数同じ業者から勧められて言われるがままに購入してしまうと、月々のローン返済も大きくなっていきます。

もちろん、ワンルームマンション投資はいつかは損益分岐点に到達する投資ですので完全に失敗とは言い切れませんが、当初の計画よりも効率の悪い資産形成にはなってしまいます。

中にはオーバーローンと呼ばれる物件の価格以上にローンが組まされているケースもあります。物件価格以上の部分についてはフリーローンになることもあります。フリーローンですと金利が通常の不動産投資ローンよりも高くなる可能性もあります。

ワンルームマンション投資の失敗原因6選

では、先ほどご紹介した失敗例をもとに、ワンルームマンション投資の失敗原因を6つそれぞれ解説していきます。

失敗例から学べることは多くありますので、同じ失敗をしないためにもぜひ確認しておきましょう。

1.条件を新築のみに絞った

新築物件となれば、購入してすぐは入居希望者も多いかもしれません。ただ残念なことに、人気が長く続くとは限らないのです。しばらくして空室が目立ってくる可能性も大いにあるでしょう。

特にほとんどの新築マンションは中古よりも価値の下落幅が大きいです。中古物件の金額は相場によって決まってくるので、大きな価値の下落リスクは新築に比べ低くなります。

とはいえ、勘違いしないで欲しいのは新築がNGで買うなら中古!ということではありません。

それぞれ一長一短もありますし、そもそも同じ物件が二つとして存在しない以上、新築・中古のどちらがいいかは不毛な議論です。

2.修繕費や維持費を甘く見ていた

修繕費や維持費は、ワンルームマンション投資では必ずかかるコストのひとつです。これを甘く見ていると、投資でつまづいてしまうと言わざるを得ません。

現実的な計画を立て、リノベーション費用や設備の維持費用なども忘れずに計算に入れておく必要があります。

3.空室率が高く、見込んだ家賃収入が得られなかった

予想よりも入居者が集まらず、空室続きになってしまうケースもあります。家賃収入にも大きな影響が出るでしょう。

なお、仲介業者からの空室保証や家賃保証がある場合でも、保証をあてにして投資することは避けるべきです。

管理会社に丸投げも空室になる原因ですので要注意です。

4.タイミング予測が不十分だった

私が考える成功するワンルームマンション投資では「5~10年での物件価格の維持や値上がりを待ち売却益を得る」のが基本です。買ってすぐや、2~3年で一気に利益を確保するものではありません。

売却時期の見極めがワンルームマンション投資での成功と失敗の分かれ目になると言っても過言ではありません。

5.需要のあるエリアや立地を選ばなかった

需要に合っているかどうかも、投資の行く先を左右します。

実際のところ、郊外などの立地的に不利なところであれば物件購入費用は安く済むでしょう。しかし、そのようなエリアや立地で多くの需要が見込めるか考えてみてください。

仕事や生活での便利さを考慮して、駅に近く生活に便利な場所を中心として物件を探す人も多くいます。需要がなければ、いくら安くて素敵な物件でも入居率は上がらないでしょう。

「安物買いの銭失い」にならないようにしましょう。

6.「企業が寮として一括借り上げする契約が決まっている」という営業トークを信じる

「企業が寮として一括借り上げする契約が決まっている」という営業トークが出てくることがありますが、これは特に注意が必要です。

確かに寮として借り上げると言われると安定した物件に聞こえることもあるかもしれませんが、こういった物件はそもそも選択肢に入れることすらNGです。

ずこうした物件は借り上げなどの契約がないと売りづらいことから、人気薄の物件であり、「借り上げて寮にする=それ以外の強みがない」と、営業マン自ら自爆している様なものでもあります

また、前提としてその寮の契約が実際にあったとして、その契約がこの先もずっと続く保証もありません。

実際に羽田空港近くで航空会社の借り上げ物件だから安心と謳っていた物件がありましたが、コロナ禍により契約は白紙となり大変な状況になったケースもあります。

ワンルームマンション投資の失敗を最小限に抑える5つの方法

ここからは、ワンルームマンション投資の失敗を最小限に抑えるための方法について、それぞれ解説していきます。

方法1.「新築」か「中古」かで選ばない

ワンルームマンション投資で、あえて新築/中古にこだわる必要はあるでしょうか。

新築は、収益のシミュレーションが立てやすい反面、購入費用だけでもかなりの資金が必要になります。また、家賃の下落リスクが大きいという特徴があります。中古マンションであれば物件の購入価格も安く済みますし、新築では避けられない家賃下落の波がすでにひと段落していれば、安定した収入が見込みやすいでしょう。一方、予期せぬ修繕が発生することがあるためシミュレーション通りに行かないリスクがあります。

先ほども述べましたが、物件を新築か中古かで選ぶのはナンセンスです物件の価値は需要で決まりますから、立地や価格などの条件から総合的に判断しましょう。

新築だろうと中古だろうと良いものは良いのです。

方法2. 都市部のマンションを選ぶ

人口自体が多い、もしくは再開発で需要増加が見込めるエリアや土地を絶対条件として物件を選ぶのも良いでしょう。

物件購入前に正確な状態を把握することに加え、投資先の地域の特性や環境についてもしっかり調査する必要があります。

具体的には、東京圏、名古屋、大阪、福岡などのエリアが良いでしょう。

また入居者の心理状況が分かるとよりよい物件が購入できます。心理分析に長けた不動産会社がありますのでそういうところに相談するとより成功します。賃貸を決めるときは金額よりも住みたいかどうかの感情が勝ります。感情を揺さぶるような物件が良いですね。

方法3. 売却のタイミングを慎重に検討する

売却のタイミングによって売却価格は大きく変化します。

やはり購入後すぐの売却となると、赤字になるケースがほとんどです。

おすすめとしては購入後5~10年のタイミングです。

円安やインフレによってこれからも不動産価格は上がっていくことが予想されますので、ある程度保有しつつ、良いタイミングで利確し、次の投資のステップに進みましょう。

方法4.本当に良いと思った物件は即決する

ワンルームマンション投資(というより不動産投資全般において言えることですが)は、一般の方が思っているよりも争奪戦の色合いが濃いものです。

つまり本当に良いと思った物件は即決して購入してしまうことが勝利の鍵になってくるといって決して過言ではありません。

逆にいつまでも売れ残っている物件ということは、それだけ「複数の投資家が物件を見てパスしている物件」という考え方もできます。言い換えればネットなどに掲載されている物件は何かしらあるということです。

本当に良い物件であれば、こうした投資家が即決で購入することは想像に難くないでしょう。

方法5. 管理会社を味方にする

満室稼働に近づけることが大切なのは当たり前のことですが、管理会社に丸投げではいけません。

「俺はマンションオーナーだぞ!管理会社は俺様のために無償でも働け!」では管理会社も意図的に空室にすることもありえます。できれば感情抜きで管理をしてくれる業者が一番良いのですが、相手も自分と同じ人間であることを忘れてはいけません。

管理会社の人たちに頑張ってもらうためにはこちらからも定期的な連絡やお歳暮などプレゼントをすることでより頑張ってくれることもあります。

密なコミュニケーションが満室稼働に近づく対策です。

あまりにも怠惰な管理会社であれば切り替えも視野にいれるべきです。実際に良い管理会社というのは探しても既存顧客で手一杯のため中々と見つかりません。周りで不動産投資で成功している人に聞くのが近道です。

まとめ

今回の記事ではワンルームマンションの失敗談をご紹介しつつ、失敗してしまう原因や対処法まで詳しく解説してきました。

ここまでお読みいただいて、投資では「見極める力」「見通す力」がたいへん重要となることをお分かりいただけたのではないでしょうか。

とはいえなかなか実践するとなると難しいものです。もし心配であれば私の経験であれば相談に乗ることも可能ですので、気軽にLINEください。