ワンルームマンションでよくある悪徳販売手法「買取保証」について紹介します。
絶対に引っかからないようにしましょう。
甘い話はありません!
10年後に販売業者が売値と同じ価格で買い取ってくれる
調べてみると、とんでもないことがわかりました。この物件の相場家賃は6.5万円だったにも関わらずサブリース契約での家賃は8万円だったのです。さらにサブリースしている会社は販売会社ではなく(子会社など資本関係がある会社でもない)、無関係な会社でした。
実はこのケースはできて間もない不動産業者(設立3年未満)や経営状況が良くない業者で良く見られます。
ワンルームマンションの物件価格は収益還元法で決まります。つまり、家賃が高い物件は物件価格も高くなるのです。
ということは見せかけでも良いので家賃を高く設定できれば(相場よりも高い家賃での賃貸借契約書があれば)、物件価格を相場よりも高くできるので販売利益を多くすることができます。
上記のケースでは家賃6.5万円であれば相場は1800万円の物件価格です。しかし、家賃が8万円となっていたため2200万円の物件価格で販売されていたのです。
ここで疑問が出る方も多いでしょう?物件価格を上乗せした物件を10年後に販売価格で買い取るメリットは販売業者にあるのか?ということです。
はっきり言いますが、メリットはありません。
今回のケースの契約書を見たところ以下のような問題点があったのです。
- サブリース期間が2年更新(家賃見直し条項あり)
- 買い取り保証は義務ではなく、その時点での社会的な景況感で判断する文言あり
- 保証契約書の更新がなぜか1年更新
おわかりのように販売会社が逃げられるように有利な条項が巧妙に盛り込まれていました。
販売業者を裁くことはできないのか?
結論から言うと法で裁くことはかなり困難となります。契約書がそもそも販売業者に有利な条件で作られているからです。
また、いくら高値で買ったからと言っても不動産は中に住んでいる人がいれば家賃が入り、当初のキャッシュフローとは異なるかもしれませんがローンが終われば家賃収入を得ることができます。言ってしまえばいつかは損益分岐点は出るのです。
得する日は長い時間で見ればやってきます(あくまでも都内の物件に限る)。また一品一様のためその価格が適正かどうかは判断がつきにくいのも特徴です。
しかし、なぜそこまでして販売するのでしょうか?設立がまだ浅い不動産業者は潤沢な資金がありません。また、歴史があるディベロッパーに比べると販売価格やサービス面で劣ります。当然といえば当然のことですよね。
ディベロッパーに勝つために、過剰な(ほぼ詐欺)サービスをつけて販売するのです。しかし、こんな穴だらけなサービスでクレームは来ないわけがありません。そのため、数年で会社を潰してそこで得た資金を使ってまた別の不動産業者を作るんですね。
会社を作っては潰してまた作る、そんな会社はごまんとあります。絶対に引っかからないようにしてください。
今回のケースでの販売業者の利益は?
今回のケースだと2年後にサブリースを解除または相場家賃に戻すことが考えられます。もちろん10年後の買い取りはないものとします。
2年間の逆鞘期間(サブリース家賃が本来の家賃を上回っている期間)はマイナスですが、販売金額は相場金額に400万円載せているので、
2200万円-1800万円=400万円
8万円-6.5万円×24ヶ月=36万円
400万円-36万円=364万円
通常であれば業者の利益は、
1800万円×3%+6万円=60万円
と、60万円になるはずなので、
364万円-60万円=304万円
仲介販売の60万円に比べると304万円も儲かるわけですね。
悪徳業者にひっかからないためには
「不動産投資に美味しい話はない」この言葉を肝に命じてください。
美味しいものを業者が販売するわけがありません。自分たちで保有します。
甘い蜜には罠があります。もし、美味しい話が当ブログに相談ください。